
8月3日「第48回手打ちそばアカデミーinさいたま」が開催!
投稿日時 2025-08-05 06:58:47 | カテゴリ: 最新ニュース一覧
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8月3日、埼玉県県民活動総合センター(埼玉・伊奈町)において、約50人が参加してNPO法人そばネットジャパンが主催する「第48回手打ちそばアカデミーinさいたま」が開催された。同法人は、伝統食文化としての手打ちそばの普及・啓蒙を図るとともに、手打ちそばを通じて地域社会へ貢献することを目的に2005年設立。手打ちそばの正しい知識・技術を学び、そば食文化を継承・発展させるための人材を育てるため、07年から「手打ちそばアカデミー」を開講している。 第1部では、そばネットジャパン代表理事の阿部成男氏が「私のそば打ち人生」をテーマに講演。20代後半からうどん打ちが趣味だったという阿部氏は健康を考え40代でそば打ちに転向。初めて打ったそばはスプーンで食べなければならず、何事も失敗の原因を究明しないと気が済まない性分も手伝ってそば打ちに夢中になっていったと振り返った。一般社団法人全麺協の段位認定大会にも挑戦し、「五段位」を取得するまでに上達したが、純粋にそば好きの輪を広げたいという思いからそばネットジャパンの立ち上げに至ったと話した。阿部氏は「何よりも楽しむことを大事に、多くの仲間に恵まれ設立20周年を迎えることができました」と周囲の協力に謝意を表明。「日本には各地に特徴あるそばがあり、その違いを尊重することが文化の継承に繋がります」とし、今後は全国の地域に根ざしたそば文化の魅力の発信に力を入れていきたいと意気込んだ。

第2部では、元筑波大学准教授で、24年パリオリンピックの女子やり投で金メダルに輝いた北口榛花選手を解剖学の見地から指導した足立和隆氏(理学博士)による「そば打ちの身体学」の講義が行われた。足立氏は、骨と筋肉は「てこの原理」で身体を動かしていると解説した上で、筋肉は「廃用性萎縮」によって3日ごとに1割減少する他、加齢とともに筋繊維を覆う筋肉膜に糖(糖化コラーゲン)が蓄積し筋肉が硬くなってしまうため、ストレッチをする等して定期的に身体を動かすことが大事だと指摘した。 そば打ちについては立派なエクササイズになり、生きがいを持つことがモチベーションアップに繋がると健康づくりに太鼓判。どの筋肉をどのくらいの力でどのタイミングで動かすかという運動のプログラムは、その動作を繰り返すほど小脳に記憶されるため、やればやるほどそば打ちは上手くなるとし、力の要る練りでは体重を利用し、肘をしっかり伸ばして力を伝えること、延しでは延し台と腕を90度〜45度に保ち、力を調節しやすいよう肘を曲げること、切りでは練習を繰り返してリズムを身体に覚え込ませること等が重要だと話した。

昼食を挟んで第3部はそば打ち技術交流会が行われた。そばネットジャパンは、そば打ちやそばに関する知識を学ぶ人を「そばリスト」として検定する独自の段位認定制度を設けているが、そばリスト技能検定デモンストレーションでは、6名のそばリスト師範や準師範が四段課題の「粗挽き十割」、五段課題の「郷土そば」、六段課題の「さらしな二八」のそば打ちを披露。見学者は質問を交えながらその技に熱心に見入っていた。デモンストレーション後は四段、五段、六段の受検者を対象とした個別指導も実施された。


なお、次回の第49回そば打ちアカデミーは10月18日(土)、同じく埼玉県県民活動総合センターにて開催予定。「醤油を極める」をテーマとした講義の他、技能検定デモンストレーション、技能検定受検者講習会等が行われるという。詳細はそばネットジャパンまで。 TEL:090-8684-3976 Mail:sobagakukentei@gmail.com
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