新名人は加地幸子氏!「第3回 武蔵の国そば打ち名人戦」

投稿日時 2015-10-27 06:38:45 | カテゴリ: 最新ニュース一覧

 10月24日、埼玉県杉戸町にある志学会高校体育館にて「第3回 武蔵の国そば打ち名人戦」(以下、本大会)が行われた。「美味いそばを打つ」をテーマに、毎年開催されている本大会には今年、28名のそば好きが参加した。
 本大会は予選、決勝戦を行い、審査員特別賞、努力賞、準名人、名人を決定するというもの。ただし、名人が出ない場合もある。審査はそば打ちの技術(水回し、練り、延し、切り等)から後片付けについてまでで、1試合45分で行われる。また、決勝戦では食味審査も行われ、茹での工程は選手各自が会場設備を利用して行う。
 審査は、ほしひかる氏(江戸ソバリエ協会認定委員長)、阿部成男氏(そばネット埼玉代表理事)、折笠政弘氏(全十勝手打ち蕎麦推進協議会代表、全日本そば打ち15代名人)、平松一馬氏(全日本そば打ち17代名人)、横田節子氏(日本橋そばの会会長)、小川喜久次氏(武蔵の国そば打ち名人戦2代名人)の6名の審査委員が務める。決勝戦の食味審査では、この審査委員6名と一般審査員5名、茹で審査員1名の計12名によって判定される。解説には武蔵の国そば打ち名人戦初代名人の中山徹氏が務めた。
 大会規定では予選突破者は5名前後となっているが、今回は僅差の勝負となり、10名が決勝に進出。
 中でも注目を浴びたのが、南会津伝統の“湯ごね、裁ちそば”で打つ星清信氏だ。通常、常温水や冷水を使い、水回しという工程を経て練りに入るところ、お湯を入れて一気に練り上げる。そして、生地を切っていく時は、通常のそば切り包丁を使った“上から落とす切り方”はせず、細い包丁で、布を裁つように“手前に引く切り方”をする。これには審査員含め観客も釘付けになっていた。
 午前の予選が終わると、昼食休憩を挟み、折笠名人、平松名人、中山名人による名人打ちが始まった。名人達の周囲を選手や観客が取り囲み、打ちながらの質疑応答タイム、質問する方も答える方も非常に真剣な眼差しだ。そして、名人戦が終わると決勝戦が開幕。決勝戦は、午前中にはなかった西日に悪戦苦闘しながらの試合となった。
 決勝戦の結果、3代名人に選ばれたのは加地幸子氏(北海道)。その他、準名人には掛札久美子氏(茨城県)と横山忠弘氏(埼玉県)、努力賞には池功司氏(北海道)、審査員特別賞には星清信氏(福島県)と村中珠希氏(大阪府)が選ばれた。
 閉会式では、大会審査委員長のほしひかる氏が、「皆様大変お疲れ様でした。今回の審査は非常に僅差で判定が難しかったです。惜しくも賞に漏れた方も、また来年、挑戦して頂ければと思います」と述べた。

写真(上)、湯ごね、裁ちそばで注目を集めた星清信氏
写真(中)、真剣な眼差しで名人の手打ちを見る選手、観客達
写真(下)、安田武司大会委員長から賞状を受け取る加地幸子氏







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