見た目は豪快 味は繊細

福井「丸岡在来」の持ち味を堪能できる。
石臼製粉の生粉打ち



 全国で在来種の蕎麦が少なくなる中、福島県の会津地方と福井県は、在来種の蕎麦を食べる食文化の伝統が、いまも受け継がれている地域だ。

 福井では、蕎麦に大根おろしと蕎麦つゆをかけて味わう郷土蕎麦「越前おろし蕎麦」の知名度が高い。

 丸岡「在来」等、福井の在来種は、小粒で風味に優れた蕎麦だが、越前おろし蕎麦として、最初から大根おろしやつゆをかけてしまうと、蕎麦そのものの味を楽しむことが難しくなる。せっかくのいい蕎麦なのに、残念だ。そこで、今回の取り寄せ蕎麦も、いわゆる「もり蕎麦」を紹介することにした。

 福井・越前市にある「そば蔵 谷川」は、丸岡在来を自家製粉し、個性的な蕎麦を出す。手挽きの石臼を回して粗挽きの粉で生粉打ちもする、技術的にも高いレベルを維持する店だ。今回の取り寄せ蕎麦は、石臼挽き。

 通常、この店では、取り寄せ蕎麦は積極的には行っていない。しかし今回、特別にお願いして、『蕎麦春秋』読者のために、蕎麦を発送していただけることになった。

 写真でおわかりの通り、普通の店ではちょっと食べられない粗挽きの蕎麦だ。取り寄せして食べると、多少切れることはあるだろうが、そういうことよりも「そば蔵 谷川」の渾身の力をこめた蕎麦の風味を、この機会に味わっていただきたいと思う。

「そば蔵 谷川」の太めの蕎麦は、細かく挽いた蕎麦粉と、粒子が見えるほど粗く挽いた蕎麦粉を混ぜ合わせて打っている。食感は弾力がありながら、歯ぬかりなく切れる。選び抜いた丸岡在来の持ち味を、見事に引き出しているといえる。蕎麦切りは太く、豪快な印象だが、この形、味を維持するためには細心の注意を必要とする、実は極めて繊細な蕎麦なのだ。粗挽きの魅力を「そば蔵 谷川」の蕎麦で堪能していただきたい。


「もりそば太打ち、生そば」5人前、3,650円、10人前、6,400円(税込、送料込、地域によっては送料が変わる)。注文方法は電話、FAXで。クール便で配達。配達希望日の3日前までに注文する。注文多数の場合は受けられない場合もある。同梱の振替用紙で支払う。生粉打ち、機械挽きの粗挽き蕎麦が配達される。大根おろしを用意すれば、「おろしそば」としても楽しめる。年末の年越し蕎麦の注文は受けていない。
【住所】福井県越前市深草2-9-28
【定休日】月曜、第3日曜
【営業時間】11時30分〜14時
【注文先】電話/FAX  0778-23-5001



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